映画『ザ・エレクトリカルパレーズ』感想(ネタバレなし)

とってもとっても語りたいことが出来たので、久しぶりにはてブロのアプリを開きました。

 

私は吉本クリエイティブエージェンシー所属のお笑いコンビ「ニューヨーク」の大ファンです。そう、M-1とKOCのダブルファイナリスト、ネクストブレイクと言われ続けて早11年、悪ノリでパンツマンをしつこくいじってから永遠にネットで嫌われてるあの「ニューヨーク」です。

 

彼らのネタやラジオがどれだけ面白いかということは言わずもがななので省略しますが、今日はそんな彼らのYouTubeチャンネルで公開された映画『ザ・エレクトリカルパレーズ』について語らせてください。

 

発端はこの日のラジオでの会話でした。

 

【ニューヨークのニューラジオ #56】

 

31:17〜を聞くのが一番早いですが、ざっくり概要を説明すると、なにやら吉本総合芸能学院(通称NSC)の17期生たちの間で「エレパレ(正式名称:ザ・エレクトリカルパレーズ)」と呼ばれる謎のイキり集団があったらしいと。

 

学生時代の陽キャによくある、自分たちのグループに名前をつけてお揃いのTシャツやらを自作する身内ノリ黒歴史のようですが、9年前の話にも関わらずいまだに語り継がれ先輩たちからは弄られ続ける〝イタい集団〟として紹介されたのが始まりです。

 

この集団の登場に、ちょっとイタい人をいじることが大好きなのがネタにも顕著に現れてるニューヨークは涎を垂らして喜び、ニューヨークを裏で操る構成作家の奥田さんもこの話題に食いつきました。

 

芸人の名前をほぼ知らない人はラジオを聞いてもなんのこっちゃかもしれませんが、この映画の本質は芸人のNSC時代の黒歴史をいじるだけなんて、そんな浅いものではありませんでした。騙されたと思って続きを聞いてください。

 

最初に特報が出たのは、その5ヶ月後でした。

 

【特報①〜③】

 

ニューヨークと奥田さんが、エレパレの当事者やその周りの17期生たちに独自に取材を申し込み、謎の集団「ザ・エレクトリカルパレーズ」とは何だったのか?誰がつくったのか?その真相を究明するドキュメンタリー映画の特報でした。

 

正直言うと、この時点ではそこまでワクワクしていなかったんです。ラジオで聞いたエレパレの話は面白かったけど、17期生に誰がいるかまで詳しくないし、特段興味はわかなかった。

 

でもニューヨーカーと総称されるニューヨークファンたちがコメント欄でめちゃくちゃ盛り上がっているのを見て、ファンを名乗るなら見とかないといけないかなぁくらいの気持ちで特報を追っていました。

 

【予告】

 

そしてついに公開日。

 

YouTubeを開いて最初に思ったのは「は!?二時間!?長っ!!だるっ!!」

 

でもね、めちゃくちゃ引き込まれました。まじで二時間が一瞬に感じた。映画以上に映画だった。ファンの贔屓目は確かにあるかもしれないけど、それ以上に心にくるものがあったんです。それを語りたい。

 

エレパレと呼ばれるその集団は、今でこそ周りから黒歴史として弄られ嘲笑されているものの、ある人から見ればキラキラした青春の思い出であり、ある人から見れば嫉みや妬みの対象でもありました。

 

ただのイタい集団だと思っていた「エレパレ」を、当時を知る様々な芸人が各々の角度から語り、そのパズルのピースを繋げ合わせた時、今まで平面的に見ていたものが、多面的に、立体的に見えてくる。

 

いきなり自分語りになりますが、何を隠そう私も中高時代はイキり散らかしていた人種でした。もちろん自分の所属するグループにグループ名をつけることなんて朝飯前でしたし、ここには絶対書きたくないくらい痛々しい名前のグループに所属していました。

 

側から見て「寒い」と感じるノリって、当事者からすると死ぬほど楽しいんですよね。ヘキサゴンファミリーとかね。

 

今でも大人数でキャッキャするのが好きなのは変わっていないのですが、特に当時は自分たちが一番正しくて一番かっこいいと信じていたし、自分たちのグループ以外の同級生に対しての感情もエレパレ当事者のそれと同じで、インキャはみんな自分に憧れている、もしくは僻んでいると思い込んでいました。今思えば、ガチでそんな風に思えるって相当頭イカれてますよね。

 

でも私は、あの日々のことを黒歴史とは思っていないし、なんならキラキラした青春の1ページとして記憶していますが、当時の私が小馬鹿にしていた〝誰か〟から見た私は、とってもイタくてすっごくカッコ悪かったと思います。それが分かるようになるのが、大人になったってことなのかなと。

 

ニューヨークの悪ノリに付き合うつもりで視聴した映画で、こんなカタルシスを得られるなんて思いもしなかった。

 

芸人好きじゃないと登場人物ほぼほぼ「誰?」ってなる構成なので無理にお勧めはしませんが、昔見た『桐島、部活やめるってよ』に近い、リアルで、繊細で、どこか不気味で引き込まれる、評価★★★★★の大作でした。芸人好きな人は見てみてね。

 

開始10分くらいでやっぱり面白くないなと思ったら、同チャンネル内にあるネタの方を見てください。そっちは確実に面白いので。

 

みんなの心にエレパレ。

 

 

映画『ザ・エレクトリカルパレーズ』